住宅街を見渡すと、足場を組んで家の塗り替え工事中の家をよく見かけます。新築後まだ一度も塗り替えをしていない方などは、なぜ家の塗り替えが必要なのか、塗り替え時期はいつ頃なのかなど、わからないことが多いのではないでしょうか。そこで家の塗り替えについて、必要性や塗り替え時期の目安などを解説していきます。塗料の種類や選び方についても合わせてお話ししますので、参考にしてみてください。
1.家の塗り替えの必要性とは?
家の塗り替えは、なぜ必要なのでしょうか。
1-1.外壁の役割とは?
普段そこに住んでいる人でさえ、外壁の役割についてあらためて考えることはないかもしれません。外壁は、住空間を風雨から守る役割を果たしています。また、強い日差しによる熱や冬場の寒さも遮断して、快適に暮らせるのも外壁のおかげです。人目を気にせずに過ごせて、外の騒音を遮ってくれるのも、外壁があってこそのことでしょう。このように外壁は、快適に生活する上で重要な役割を果たしています。さらに外壁は、家を外から見た時に占める割合が大きいため、家の印象を左右します。そのため、家全体の美観を保ちたい時に、外壁をきれいにするのは効果的です。
1-2.外壁の置かれている環境とは?
暑さや寒さ、風雨などの外的要因から住む人を守ってくれる外壁は、常に過酷な環境下にあります。とくに酸性雨や紫外線を浴びることで、外壁は劣化してしまうことが知られています。また、地震などの大きな力が加わることで、ひびが入ることもあるでしょう。さらに、外壁材は経年によっても劣化していきます。
1-3.外壁材の種類とは?
家における重要な役割を果たす外壁ですが、外壁材には次のようにいくつかの種類があるのはご存知でしょうか。
・サイディング
・タイル
・モルタル
・鉄筋コンクリート
・木材
・塩ビ鋼板
・スチール・鉄
これらの外壁材は、それぞれ材質や耐久性などの特徴が異なります。現在、日本の家で採用されている外壁材は、板状に成形された外壁材であるサイディングが約85%を占め、次にセメント・細骨材・水を練った外壁材のモルタルが約7.3%と続きます。つまり日本の家の外壁は、大部分がサイディングだといえるでしょう。
1-4.家の塗り替えの必要性とは?
外壁材は、さまざまな外的要因によって劣化してしまうことは避けられません。そして劣化していく場合には、外壁表面を覆っている塗料の膜から劣化が始まっていきます。そのため、劣化した塗料の膜を新しくするために、家の塗り替えは必要不可欠なのです。
ただし、外壁材の種類によっては、塗装しなくてよいものもあります。タイル・レンガ・アルミ・ステンレスなどの外壁の場合には、一般的に塗装は必要ありません。サイディング・モルタル・塩ビ鋼板・鉄筋コンクリートなどの外壁は、定期的に塗装を塗り替える必要があります。
2.家の塗り替えのメリットとは?
家の塗り替えは、外壁の劣化を防ぐために必要不可欠です。ここからは、家の塗り替えを行うことで得られるメリットを詳しく見ていきましょう。
2-1.美観を良くする
外壁材に塗られた塗料の膜は、紫外線などによって劣化すると剥げてしまう恐れがあります。膜が剥げることにより、目地が傷み汚れも目立つようになるでしょう。また、周辺環境によってはコケやカビなども発生しやすく、美観を損ねてしまいがちです。
家の塗り替えをすれば、新築同様の鮮やかな外壁がよみがえり、家そのものの印象を良くしてくれる効果が期待できます。また、今までとは違った色に塗り替えることもできるので、イメージチェンジも図れます。
2-2.外壁を保護する
外壁が劣化することで、ひび割れや隙間ができてしまう恐れもあります。そこに雨水が侵入してしまうと、室内へ雨漏りする可能性があります。それだけでなく、建物内部の断熱材や基礎・躯体部分の木材が腐食してしまいかねません。すると、シロアリが発生したり基礎・躯体部分の腐食が進んだりして、家そのものの寿命が縮んでしまう原因にもなってしまうのです。
家の塗り替えにはまとまった費用がかかります。そして家の基礎・躯体部分の修理も必要になると、比べものにならないほど高額の費用がかかってしまうでしょう。
つまり家の塗り替えをすることで、外壁が持つ役割を維持でき、それが建物の寿命を延ばすことに繋がるのです。
3.家の塗り替え時期の目安とは?
ここからは、家の塗り替え時期の目安について解説していきます。
3-1.新築後、初めての塗り替えは?
現在は、塗料の性能も従来と比べて格段に良くなっており、頻繁にメンテナンスする必要はありません。それでも一般的に、新築後10年経ったら初めての塗り替えを行うのが目安だといわれています。これは、10年経つと見た目にも劣化が目立ち始めるためです。ただし、家の塗り替えは家の寿命を延ばす予防的メンテナンスであるため、症状が目立つ前に塗り直した方が効果は高くなります。築7年から8年頃になったら、家の塗り直しを検討し始めるといいでしょう。
3-2.外壁のセルフチェックがおすすめ
家の塗り替え時期の目安は、およそ築10年頃だといわれていますが、実際は外壁の状態で見極める必要があります。そのため、新築後7年から8年経った頃から、外壁のセルフチェックをするのがおすすめです。外壁に次のような症状を見つけたら、塗り替えを検討しましょう。
・チョーキング現象(外壁表面に白い粉が付く、防水性劣化のサイン)
・クラック(外壁のひび割れ)
・塗装の膨れ・腫れ
・カビやコケの繁殖
・変色や色あせ
3-3.2回目以降の塗り替え時期の目安は?
新築後10年を目安に初めての塗り替えを行った後は、塗り替え時に使用した塗料の耐用年数を目安にするのがおすすめです。塗料にもさまざまな種類があり、耐用年数も異なります。一般的に塗料の耐用年数は7年から10年といわれていますが、近年では15年程度のものも登場しています。実際の外壁の様子をチェックしつつ、塗料の耐用年数の切れる前に塗り替えるといいでしょう。
4.塗料の種類と選び方とは?
家の塗り替えをする際には、塗料も選ばなければなりません。そこで、塗料の種類と選び方について解説していきます。
4-1.塗料の種類とは?
家の塗り替えに使われる塗料は、使用される合成樹脂によってアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素の4種類に大別されます。種類によって、耐久性や価格も大きく異なります。
アクリル塗料は発色の良さと低価格という魅力を持っていますが、耐用年数は5年から8年と短いため、選ぶ人は少ない塗料です。頻繁に塗り替えたい人にはおすすめでしょう。ウレタン塗料は7年から10年程度の耐久性があり、金属や木など塗るものを選びません。シリコン塗料も10年から13年程度と耐用年数が長く、価格も手頃なため、かつては主流となっていた塗料です。フッ素塗料は耐用年数が15年程度と長めですが、高額なため頻繁に塗り替えられないビルや公共施設などに使われています。
一般的な家の塗り替えにはシリコン塗料が多く選ばれていたものの、近年では費用対効果に優れた、ハイブリッド塗料が台頭してきています。無機塗料に有機塗料の成分を組み合わせて作られるため、両方のメリットを併せ持っているのです。耐用年数も12年から15年と長く、耐候性・防カビ性・低汚染性にも優れています。そのため各メーカーでこぞって開発しており、選択肢も豊富です。
4-2.塗料の選び方は?
選ぶ塗料によって耐用年数や価格、機能などが異なるので、どのようなものを選べばいいか迷ってしまうかもしれません。予算やメンテナンスのサイクル、好みの色や質感などで選ぶといいでしょう。また、塗料の中には遮熱・低汚染性などの機能を付帯したものもあるので、希望する効果のあるものを選ぶのもおすすめです。
5.まとめ
家の外壁は、住む人を日差しや風雨、暑さや寒さなどから守る役割を果たしています。そのため外壁は、風雨や紫外線にさらされる過酷な環境下にあり、劣化していくことは避けられません。外壁材表面を覆う塗料の膜が劣化していくと、住宅内部の大規模な劣化に繋がってしまう可能性もあります。そのようなことを防ぐために、定期的に塗料を塗り替えなければなりません。一般的に10年程度が塗り替えの目安ですが、実際の外壁の様子をチェックして時期を検討しましょう。選ぶ塗料によっても耐用年数は異なります。
「株式会社しろくま」は、外壁塗装工事や屋根工事、外構工事や水回りのリフォームや内装工事の専門店です。外壁は、気づかないところでトラブルの起きているケースも多々あります。外壁の状態を拝見した上で、状態に応じた塗り替え工事について提案いたします。家の塗り替え工事は多数の施工実績がありますので、熟練の技術で一切妥協のない施工をお任せください。家の塗り替えをご検討中の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。