バリアフリー対応の家で気を付けるポイントは?間取りや空間別に解説!

バリアフリー住宅は、「お年寄りのため」「障害を抱えた人のため」というイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、そうでない方にとってもバリアフリー住宅にすることで得られるものは多くあります。自分の世代だけでなく両親や子ども、家族全員が満足できるバリアフリー住宅にするために気を付けるポイントや間取り、空間別のバリアフリーなどをご紹介します。

 

1.バリアフリー住宅とは

バリアフリー住宅は、小さな子どもからお年寄りまでの幅広い世代の人や、障害のある方が安心して不便なく暮らせるよう考え設計された住宅をいいます。

 

もともとバリアフリーという言葉は建築用語として、道路や建築物の段差などの障壁(バリア)を取り除く(フリー)という意味で使われていました。それが現在では、あらゆる人の社会参加を困難にしている、障壁を取り除くという意味でも用いられています。バリアフリー住宅というと一見、お年寄りや障害のある人に特化した住宅に思えませんか。

 

しかし、妊娠中の方がつまずかずに済んだり、けがや病気で松葉杖や車いすの使用せざるをえない場合にも移動がしやすかったり、家族の誰もがさまざまな状況でバリアフリー住宅のメリットを感じる機会は多いのです。

 

2.誰もが暮らしやすいバリアフリーの家の3つのポイント

住み慣れた家も、年齢を重ねていくうちにさまざまな所に不満が出てくるものです。たとえば、足腰が弱ってくるとちょっとした段差でつまずいたり、お風呂の浴槽を跨いだりするのも一苦労です。トイレでも座ったり立ったりの動作が、体に堪えることもあるでしょう。お年寄りだけでなく小さい子どもでも、少しの段差や階段で思わぬけがをすることも考えられます。

 

バリアフリー住宅では、介護を必要とする方がいる場合に備えて、玄関や廊下などのスペースを広めに設計することが多いので、どの世代でも安心して暮らせる家になるでしょう。誰もが暮らしやすい家にするために気を付けたいポイントについて3つご紹介します。

 

2-1.段差を解消する

まず、バリアフリーを考えるうえで最も気にすべきポイントは段差でしょう。小さく思える段差でも、お年寄りや足の不自由な方にとってはつまずきや転倒の原因になります。また車いすの移動の妨げにもなるでしょう。足元が不安な方にも介護をする側の方にも、負担になる段差がなるべくなくなるような空間作りを心がけましょう。

 

段差を解消する方法としては、廊下や居間・リビングの床の高さを均一にしたり、大きな段差には踏み台を設けたりするなどがあります。どうしても無くせない段差にはスロープを設置する方法もあります。

 

2-2.転倒を予防する

転倒の予防には手すりの設置が効果的です。最近ではバリアフリー住宅でなくとも階段に手すりを設置する住宅は多くあり、転倒の危険がある場所へのリスク対策と言えます。廊下や部屋、トイレや浴室など手すりがあれば転倒を未然に防ぐとともに、立つ・座るといった動きの負担の軽減や座り姿勢を安定させることにもなります。そのため足腰の弱ったお年寄りや、障害などで歩行に不安を抱える方も安心して住宅内を移動できるでしょう。

 

手すりを設置する際はどこにあると安心か、家のなかでとくに不安を感じる場所はどこかなど、その住宅で、生活する家族全員でよく話し合って設置するようにしましょう。

 

2-3.温度差をなくす

ヒートショックという言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。ヒートショックとは、急激な温度の変化によって血圧が大きく変動することで、失神や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす健康被害です。冬場のトイレや脱衣所、浴室などは温度差が生じやすいため、発生確率が高くなります。とくに65歳以上の方は注意が必要で、家庭の浴槽で亡くなる方の約9割を占めているほどです。

 

また住宅内の温度差は結露やカビ、ダニが発生する原因にもなります。住宅内の温度差を少なくするためには、冷暖房や換気設備を適切に配置する、気密性・断熱性の高い住宅にするなどが重要です。

 

3.バリアフリーを考えた家の間取りや工夫

まず配慮したい点は、お年寄りや介護が必要な方の居室・寝室を1階に配置することです。できれば1階で生活が完結するように、玄関・リビング・キッチン・トイレ・洗面所・浴室などが、居室・寝室と同じ階にある間取りにすることが理想的です。そのほかには以下のような間取りや工夫があると誰もが暮らしやすい住宅になるでしょう。

 

3-1.居室・寝室の近くにトイレを配置する

お年寄りや介護が必要な方の居室・寝室の近くにトイレを配置しましょう。高齢になると夜間、トイレに行く回数が増えるため移動距離の分だけ転倒する可能性が高まります。トイレを居室・寝室の近くに配置するとともに、廊下などに足元を照らす、センサー付きライトを設置するとなお安心です。

 

3-2.火を使わずに済むように、電気を活用した生活にする

高齢になると注意力が低下し、火の不始末による火災が増える傾向にあります。このような火災の不安を取り除くことも立派なバリアフリーの1つです。キッチンコンロをIHにしたり、電気を用いた暖房設備に切り替えたりがあります。

 

もちろんこれらのことで火災が起きる可能性をゼロにできるわけではありませんが、その不安を大幅に軽減できるでしょう。電気を用いた製品は小さな子どもでも扱えるものも多く、手入れも簡単に済むといったメリットもあります。

 

4.空間別バリアフリー

空間によって検討すべきバリアフリーはさまざまです。段差を解消する、手すりを付けるといったことはもちろん、安心で快適に暮らすための空間別のバリアフリーポイントを解説します。最初からすべてのバリフリーを設置・導入する必要はありませんが、将来的にバリアフリーを導入できるように新築段階である程度想定した空間作りをすることが重要です。

 

4-1.浴室のバリアフリー

浴室は、水に濡れて滑りやすいため転倒を防ぐことが大切です。手すりは、洗い場と浴槽の両方に設置するのが理想で、L字型の手すりを選ぶと立ち上がる動作がしやくなります。浴槽、は縁の高さ40cmが出入りに安全とされているので、意識してみましょう。滑りにくい床材を選ぶとなお安心です。また浴室は冬場に気温が下がりやすいため、浴室暖房などで気温の差を少なくしてヒートショックを予防しましょう。

 

4-2.トイレのバリアフリー

1日に何度も利用するトイレは、住宅のなかでもバリアフリーの必要性が高い空間です。トイレ内は車いすや介護が必要な場合に備えて余裕のある広さを確保しましょう。ドアは引き戸タイプを選ぶと出入りがしやすく、トイレ内には左右に手すりを設けることで体を支えやすくなり、立つ・座るといった動作がしやすくなります。また、ヒートショックを起こしやすいトイレにも小型の暖房設備があると寒い冬も安心できます。

 

4-3.玄関のバリアフリー

玄関は、どうしても段差ができてしまいやすい空間です。とくに靴を脱いで上がる上がり框(かまち)は体に大きな負担をかけてしまうため、手すりの設置やなるべく低い段差にするよう意識しましょう。靴を脱ぎ履きするための補助ベンチを設置するのもよいでしょう。玄関入り口は間口の広い引き戸タイプのものにすると車いすでも安心です。玄関に入る前の外スペースでは、広さを確保できる場合はスロープを設置する方法もあります。

 

4-4.廊下・階段のバリアフリー

廊下や階段の幅は、バリアフリーを考える上で重要なポイントです。車いすの移動や、手すりの設置を考える場合は廊下幅90cmを確保しましょう。廊下や階段の幅を広げたい場合、リフォームでは対応しきれないことが多く、新築時から検討しておくことが必要です。廊下足元に補助灯があると夜間のトイレも安心できます。

 

4-5.キッチンのバリアフリー

キッチンは、料理などで長時間立ちっぱなしになるため、お年寄りや障害を持つ方が負担を感じやすい場所です。システムキッチンには、バリアフリーに対応したものがあり、調理台が低く設計され、座ったまま作業ができるように調理台・シンク・コンロの下に足を入れられる空間があるのです。座ったまま収納ができるように、高いところにある吊戸棚を電動で昇降できるものもあります。

 

調理をする人が複数いる場合は、調理台の高さを調節できるシステムキッチンにする方法もあります。また、コンロをIHにして火事の危険を減らすといった対策も立派なバリアフリーの1つです。

 

5.まとめ

今回は、バリアフリー住宅にするために気を付けるポイントや間取り、空間別のバリアフリーなどをご紹介しました。家をバリアフリーにする際、大切なのは「将来を見据えて家族でよく話し合って決める」ことです。また家は、子どもたちに受け継がれていく場合も多く、自分が高齢になった時に使いやすいかどうかも考える必要があります。今はその必要がなくても、将来のためにトイレや浴室、廊下など、余裕をもった広さにしておくことでスムーズにバリアフリーを導入できるでしょう。

 

神奈川県藤沢市の「株式会社しろくま」は、戸建て住宅専門のリフォーム会社です。増改築や各種リフォームを承っておりますので、バリアフリーを検討されている方はお気軽にご相談ください。豊富な経験と柔軟な対応力でご満足いただける仕上がりをお約束します。まずは、お気軽にご相談くださいませ。

 

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