家の塗装工事で使われる塗料について!種類や選び方を解説

 

建物の壁や屋根の塗り替えには「塗料」が使われます。塗装工事を進めることになった場合、「どの色に塗り替えようか」と、色を選ぶことを中心に考える方が多いでしょう。しかし、実は塗料の役割は「色を付ける」だけではないことをご存じでしょうか。今回は塗料の種類や役割について詳しく解説します。

 

1.塗装に使われる塗料の成分と働き

塗装工事に欠かせない「塗料」は、文字通り「物の表面に塗りつける材料」のことです。塗料を使用する目的は3点あり、表面の保護、美装、さまざまな機能の付与です。これらの目的を果たすため、塗料は4つの成分から構成されています。まずは、それぞれの成分とその役割について解説します。

 

1-1.顔料

顔料の役割を一言で表すと「色付け」です。家の塗装工事をするときに「壁の色は何色にしようか」と考えるでしょうが、色を決める成分が顔料です。顔料を含まない塗料は「クリヤー塗料」と呼ばれ、無色透明をしています。顔料の種類によっては、色を決める役割だけでなく、さびを防ぐ、塗料を増量させる、光沢を出す、付着性を調節するといったような機能を持つものも存在します。

 

1-2.樹脂

樹脂は塗膜を形成する成分で、塗料の耐久性を決める要素となります。樹脂には非常に多くの種類があり、「アクリル」、「ウレタン」、「シリコン」、「フッ素」、「ポリエステル」などが挙げられます。建築用の塗料でもっとも耐久性が高いと言えるのは「フッ素樹脂塗料」です。しかし、耐久性に優れている塗料ほど高価格になる傾向があり、一般的な住宅の塗装用としてはあまり一般的ではありません。価格と品質とのバランスの良さから、住宅の屋根や外壁の塗り替え用としては「シリコン樹脂塗料」が用いられやすくなっています。

 

1-3.添加剤

文字通り、塗料にいろいろな機能を「添加」し、塗料の性能を向上させる成分です。カビの繁殖を防ぐ機能、粘土を高めて液だれを防ぐ機能、密着力を高める機能、光沢具合を調整する艶消し機能など、さまざまな種類の添加剤が存在します。

 

1-4.希釈剤

樹脂を溶かしたり薄めたりする液体のことで、塗料を塗りやすくする役割を持ちます。希釈剤は「水」と「シンナー」の2種類に分けられていて、水が使われている塗料は「水性塗料」、シンナーが使われている塗料は「油性塗料」と呼ばれます。

 

2.塗装に使われる塗料の種類

説明してきた通り、塗料には4つの成分があり、それぞれが異なる機能を持っています。成分ごとに用いられる材料が異なれば、当然ですが塗料の種類は非常に多くなります。塗装工事をおこなうにあたり、塗料選びはとても大切です。そこで今回は、数多く存在する塗料の種類に関する知識の中から、是非知っておいていただきたいものを厳選して解説します。

 

2-1.水性塗料と油性塗料

樹脂を薄めて塗りやすくする成分となる希釈剤が「水」か「シンナー」かによって「水性塗料」と「油性塗料」に区別されます。水性塗料は臭いがきつくないというのが最大のメリットです。耐久性の低さにおいて不安が大きいと言われてきましたが、最近は技術開発が進み、油性塗料と大差ないレベルの耐久性を誇るものが増えています。室内塗装において、現在は水性塗料を用いることが一般的です。油性塗料は作業中にシンナーの強い臭いが気になると感じる方がいるかもしれません。しかし、密着力の高い強固な塗膜を作れるのが魅力です。

 

2-2.ステイン塗料と造膜塗料

顔料の種類によって「ステイン塗料」と「造膜塗料」という2種類に区別されます。木材などに浸透するタイプの塗料をステイン塗料、浸み込まずに素材の上に塗膜を張るタイプの塗料を造膜塗料といいます。ステイン塗料は、木材に浸透することで内側から木を保護でき、表面に塗膜ができないため、木目を活かした見た目を楽しめます。一方で耐久性が低いため、塗り替えの頻度を高くしなければいけないというデメリットもあります。造膜塗料には主にワックスやウレタンニスと言われるものがあります。しっかりとした塗膜が造られ、耐久性に優れていることが魅力です。木材の質感が失われてしまうことと、木の内部の補強には効果がない点には注意が必要です。

 

2-3.樹脂による種類分け

前述の通り、塗料の成分の1つである「樹脂」には、非常に多くの種類が存在します。ここでは主に外壁の塗装に用いられることが多い4つに絞ってそれぞれの特徴を説明します。1つ目は「アクリル樹脂」です。安価に手に入る塗料で、DIYなどによく使われますが、耐久性が低いので家の塗装に使われることはほとんどありません。

 

2つ目は「ウレタン樹脂」です。弾力性が高いという特徴を活かして、遊具などの動きがあるものによく使われます。紫外線に弱く、変色しやすいというデメリットがありましたが、最近は改良が進み日光が直接当たっても劣化しにくくなっています。

 

3つ目は「シリコン樹脂」です。耐久性は10年以上と言われており、コストパフォーマンスの良さから建物への塗装において最もよく利用される塗料となっています。

 

4つ目は「フッ素樹脂」です。15年ほど耐久年数があるとされ、紫外線にも天候にも強く、頻繁に塗り替える必要がなくなることが最大の特徴です。価格が高いため、戸建て住宅の塗装には用いられにくい傾向にあり、大型建築や公共施設の塗装に使用されることが多い印象です。

 

3.塗装に使う塗料を選ぶ時のポイント

最後に、家の塗装に適した塗料を選ぶ際に気を付ける点をお伝えします。塗装工事の目的に合わせて、数多くある塗料の中から相応しいものを選ぶことが大切です。2点に分けて解説します。

 

3-1.機能や耐久性で選ぶ

塗料は種類によってそれぞれ特別な機能を有しています。機能性を持つ塗料を使用することで、より安心して日々を過ごせるようになるため、家の塗装工事を考えるときは、塗料にはどのような機能を持つものがあるか、事前にある程度把握しておくのが良いでしょう。

 

また、耐久性の強さにも注意が必要です。耐久性が高くない塗料を選択してしまうと、近いうちにまた塗装工事が必要になってしまいます。かといって、耐久性が高いものを選べばいいかというと、価格が高いというデメリットもあるため、総合的なバランスを考えて選択することが大切になります。なお、外壁塗装においては「耐候性」の確認および検討は必須です。耐候性とは、紫外線や熱、雨水といったものに起因する材質の変化への強さの度合いを表す言葉です。天候による影響が大きい地域の建物の外壁には、耐候性の高い塗料を選びましょう。

 

3-2.イメージに合うカラーや意匠性で選ぶ

塗装する部屋でどんな暮らしをしたいか、外観はどのようなデザインがいいかなど、事前に具体的なイメージを膨らませましょう。塗装とは、単純に一色で全体を塗りつぶすだけではありません。多彩な色を用いたり、光沢具合を調整したりして、デザイン性を持たせることも可能です。壁の印象が変わると、新築物件に引っ越してきたような新鮮な気持ちになれることでしょう。

 

4.まとめ

今回は家の塗装工事で使われる塗料について、いくつか種類に分けながら特徴や機能を紹介しました。塗装工事は、単純に壁や屋根に色を付ける事だけが目的ではなく、実は塗料はさまざまな機能を持っています。建物の塗り替えを検討する場合は、どんなイメージの外観や室内にしたいのか、どんな機能を持たせたいかをしっかりとイメージしてから、信頼できる業者に相談をしましょう。

 

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