外壁リフォームにはいろいろな方法があるものの、古い家の場合は特に適切な方法を選ばなければなりません。中には、外壁塗装ができないケースもあり、外壁を補強しながら美しくリフォームする方法を模索する必要があります。ここでは、古い家の外壁リフォームの方法や、外壁塗装の注意点についてご紹介しましょう。
1.古い家の外壁リフォームの種類
古い家の代表的な外壁リフォームの方法は、次の3つになります。
1-1.塗り替え
塗り替えは、最もオーソドックスな外壁リフォームの方法です。外壁塗装と呼ばれるリフォーム方法で、塗装をし直すことで美しい外観に蘇らせます。外壁塗り替えは、建物の美観を保つだけでなく、耐久性や防水性を向上させ、建物全体の保護に貢献します。外壁塗装の中で、最もリーズナブルにリフォームできる方法です。しかし、全ての家に塗り替えが行えるわけではありません。
1-2.張り替え
板張りの外壁の場合、劣化が進んでいると塗り替えではなく張り替えを行うケースもあります。現在の外壁素材を取り外し、下地を整えた後に新しい素材に張り替えるという工法です。外壁の張替えは、建物に新しい外観を与え、同時に耐久性や気候への適応性を向上させられます。また、断熱性や防水性の向上も期待され、快適で美しい住環境を提供する施工です。
1-3.カバー工法
カバー工法は、既存の外壁材に重ね塗りし、補修しながらリフォームする施工です。カバー工法では、断熱材を取り付けることが一般的です。これにより、建物の断熱性能が向上し、冷暖房効果が改善されます。ただし、外壁に重ねていく施工法であるため、外壁が重くなってしまいます。地震が起きた時など、建物に負担のかかるため注意が必要です。
2.古い家の外壁塗装におすすめの塗料
外壁塗装では、塗料によって仕上がりや耐久性が違ってきます。古い家の外壁塗装におすすめの塗料は、次の5つです。
2-1.シリコン樹脂系塗料
シリコン樹脂系塗料は、シリコン樹脂を主成分とする塗料です。耐候性が高く、紫外線や気象条件に対して優れた耐久性を示します。酸やアルカリに対しても耐性があり、塗装された表面を保護し、化学的な影響から守ります。耐用年数も10年~15年と長く、一度塗装すると美しい状態を長く保てるのがメリットです。メリットの多い塗料ですが、シリコン樹脂系塗料は他の塗料と比較して高価なことがあります。最も人気の高い塗料です。
2-2.ラジカル制御塗料
ラジカル制御型塗料は比較的新しい塗料で、2010年に登場しました。シリコン樹脂塗料よりも耐用年数が長く、メンテナンスの頻度が少なくて済むのがメリットです。通常、塗料には酸化チタンが含まれており、紫外線に晒されるとラジカルを発生させます。ラジカル塗料は、紫外線に晒されても塗料にダメージを与えないため、美しい状態を長く保てるのです。
2-3.フッ素樹脂系塗料
フッ素塗料は外壁塗料において最も長い15年~20年の耐用年数を誇り、スカイツリーの塗料としても使用されています。外壁塗料の中で最も料金は高くなりますが、耐用年数を考えるとコストパフォーマンスは良好です。ただし、施工が難しいため、業者によってはフッ素樹脂系塗料を塗ってもすぐに剥がれるケースもあります。そのため、フッ素樹脂系塗料の施行が得意な業者に依頼することが大切です。
2-4.光触媒塗料
光触媒塗料は、光の作用を受けて特定の反応を引き起こす塗料です。紫外線を受けることで、表面に付着した汚れを分解しやすくなる、自己洗浄効果があります。光触媒の作用により、表面に付着する細菌やカビの発生を抑制できます。これにより、建物の内外の衛生状態を向上させることが可能です。
2-5.セラミック塗料
セラミック塗料は、セラミック微粒子が配合された特殊な塗料です。耐候性が高く、外部環境の影響を受けにくく、色褪せや剥がれが少なくなるようです。スタイリッシュな仕上がりになる上、セラミック微粒子は断熱性が高く、建物内部の温度を一定に保つ効果があります。これにより、冷暖房の効率が向上し、エネルギーコストの削減に寄与します。
3.古い家の外壁リフォームの注意点
古い家に外壁リフォームをする際には、次のポイントに留意する必要があります。
3-1.外壁リフォームの方法は築年数から判断
外壁リフォームの方法は、築年数に合わせて選択することが大切です。築年数が経過することで、外壁には風雨や紫外線などの自然の要因からくるダメージが蓄積されます。これにより、外壁の劣化が進行して外壁塗装のできない場合があります。また、建築基準や施工技術は時間とともに進化しており、新しい基準や技術が導入され、それに合わせて外壁のリフォームの必要になることがあるからです。築年数が古い建物は、現行の基準に合わせるためにもリフォームが必要となることがあります。
3-2.古い家の外壁リフォームは塗装できない場合がある
古い家の外壁が劣化している場合、塗料が外壁に密着せず、耐久性が低くなります。劣化した表面は、塗料がうまく吸収されず、剥がれやすい状態になるからです。クラックやひび割れが多い場合や、壁の構造が不均一である場合、塗料が均等に塗られず、持続性に問題の生じる可能性があります。また、古い家の外壁に古い塗料が残っている場合、これを完全に取り除かないと新しい塗料が効果的に作用しないことがあります。
3-3.建築材の内部劣化は建て替えも視野に
建築材の劣化具合によっては、建て替えを視野に入れる必要もあるでしょう。元の外壁材の種類や住宅の劣化度合いによって、外壁の張り替えの制限されることがあります。そのため、リフォームの選択肢は自由でありません。また、全体的な劣化が進んでいる場合には、部分的なリフォームでは対処が難しいこともあります。このような場合、建て替えを検討することが一つの選択肢となります。
4.古い家でも外壁塗装ができるケースとは?
古い家でも、外壁塗装のリフォームをできる場合があります。
4-1.定期的に外壁のメンテナンスや再塗装をしている
築20年以上の建物は、状態によっては外壁塗装だけではリフォームしきれません。しかし、中古住宅や新築からずっと住み続けて、耐用年数を経過した場合は例外です。定期的に外壁のメンテナンスをしていると、外壁の劣化の進行が遅く、再塗装だけのリフォームが可能なこともあります。
4-2.外壁材が金属サイディング
築年数が40年以上であっても、外壁材が金属サイディングの場合は、外壁塗装のできる場合があります。金属サイディングの耐用年数は30年~40年と長く、定期的な点検をしていれば、外壁塗装ができる程度に良好な状態が保てているでしょう。サビ落としをした後、外壁塗装で保護をして美観が取り戻せます。
5.まとめ
外壁リフォームの中でも、外壁塗装はコストが比較的安い方法になりますが、古い家では行えない場合があります。古い家は築年数に合ったリフォームを行う必要があるので、コストだけで考えるのではなく、家全体を補強することも視野に入れて選択するのが良いでしょう。張替えやカバー工法などによるリフォームも、選択肢に入れるのがおすすめです。
「株式会社しろくま」は、神奈川県藤沢市を拠点として一戸建て専門の外装・内装リフォームサービスを行っております。施工実績も豊富で、経験や技術力に優れたスタッフが、丁寧に作業をいたします。藤沢市だけでなく、神奈川県全域に対応しておりますので、外壁塗装やリフォームをお考えの方は、いつでもお気軽にご相談ください。