太陽光や雨風の影響をもろに受ける外壁の塗膜は、その性能を永久に保つことはできません。劣化が進むと、建物の美観はもちろん、外壁を保護する機能や建物の価値が低くなります。放置すると、その後大規模な修繕工事をしなければなりません。ここでは適正な時期に塗り替えするために、外壁塗装の耐用年数について解説します。外壁の耐用年数を知って、適正な時期に塗り替えを検討しましょう。
1.外壁塗装の耐用年数
外壁塗装の耐用年数は、一般的に10~20年といわれています。しかしこれはあくまでも目安にすぎません。紫外線が雨風など自然環境による影響をもろに受ける外壁は、建物の周辺環境や使用の塗料の種類によっても、その耐用年数は違ってくるのです。
1-1.耐用年数のオーバーで起りえる問題
外壁の塗膜が劣化すると下記のような問題が起こります。
・雨漏り
・見た目が悪くなる
・外壁材の劣化
・耐震性の低下
・害虫の侵入
1-2.劣化症状で塗り替えを判断する場合
外壁塗装の塗り替え時期の適期は、塗料の耐用年数のほかに外壁の劣化を目で確認し塗装するべきか判断できます。塗料の耐用年数だけではなく、外壁の状態を確認して劣化のサインを見逃さないことも
適期に塗装するためには重要です。外壁に下記のような症状が出たら、それは劣化のサインとなります。塗装業者に点検を依頼して調査してもらいましょう。
・ヒビやはがれ
・チョーキング現象の発生(手で外壁を触り白い粉が付着する)
・鉄部のサビ
・色褪せ・変色
・膨れ
なお、チョーキング現象の白い粉は、紫外線により外壁の塗料から抜け落ちた、塗料に含まれている顔料です。劣化および塗料の耐用年数期になると起ります。
2.外壁塗料の種類別耐用年数
外壁塗装は塗料によって耐用年数が大きく変わります。耐用年数が高くなるほどグレードもアップし、価格も高いでしょう。しかし塗り替える手間が省けることを考えると、多少高くても耐用年数の高い塗料を使用したいという方もいます。
2-1.アクリル塗料
耐用年数5~7年のアクリル塗料は、発色がよく重ね塗りでもきれいに仕上げられます。また低価格であることもこの塗料の魅力です。ただ汚れやすく、耐久性の低いのはこの塗料のデメリットとなります。またひび割れしやすい点も問題です。
2-2.ウレタン塗料
耐用年数8~10年のウレタン塗料は、密着性、耐久性に優れた塗料です。施工では光沢がある塗装膜をつくり、きれいに仕上げられます。しかしこの塗料のデメリットは汚れやすい点です。また紫外線に対してはそれほど高い耐久性はありません。
2-3.シリコン塗料
耐用年数7~15年のシリコン塗料は、艶のある施工が可能です。耐久性も程よくあり、価格はアクリル塗料やウレタン塗料よりも高価ですが、耐用年数を考えるとコストバランスのよい、最も人気の高い塗料となります。デメリットはひび割れしやすい点です。
2-4.ラジカル塗料
耐用年数12~15年のラジカル塗料は、2012年に発売された新しい塗料です。まだ施工例が少ないため、耐用年数の信憑性には欠ける点もありますが、下記のような点においては優れています。
・汚れにくい
・カビや藻が生えない
・紫外線や雨風に影響されにくい など
2-5.フッ素塗料
耐用年数15~20年のフッ素塗装は、耐用年数が長く、メンテナンスに手間のかからない塗料です。汚れにくく、耐寒性・耐熱性に優れた高機能な塗料となります。ただし価格がほかの塗料に比べて高いため、現在は商業施設など公共の建物にはよく使用されていますが、一般住宅への普及率は高くはありません。
2-6.無機塗料
耐用年数20年以上の無機塗料は無機物(セラミックやケイ素など)を主成分とし、紫外線や雨風など気象劣化への耐久性に優れた塗料です。耐用年数はほかの塗料に比べてトップクラスとなります。しかし有機塗料に比べると柔軟性に欠けるため、ひび割れが生じやすいのがこの塗料のデメリットです。
3.外壁塗装の耐用年数を延ばす方法
外壁塗装が長持ちすればそれだけメンテナンスの手間が省けます。また安い塗料を選んだとしても、外壁塗装工事はある程度まとまったお金も必要です。そこでここでは耐用年数を延ばす方法をいくつかご紹介します。
3-1.長持ちする塗料を選ぶ
価格は高くなりますが、耐用年数が長い塗料を塗装に使用すれば、塗り替え時期を遅らせられます。ただし塗料を選ぶ際は、外壁材との相性も考えなければなりません。相性がよければ耐用年数は長くなり、逆に相性が悪いと数年で塗膜の剥がれやひび割れが生じてしまう場合もあるのです。塗料選びは塗装業者と相談して選ぶことをおすすめします。
3-2.技術力のある優良業者に依頼する
技術力のない未熟な業者に依頼すると、塗膜がたった1年で剥がれてしまうことがあります。また悪徳な業者に依頼すると手抜き工事も否定できない問題です。外壁塗装の耐用年数を延ばすためには、技術力のある優良業者に依頼する業者選びも大切なことです。下記のような方法は優良業者選びのポイントになります。
・2~3社から相見積もりをとり比べてみる
・有資格者(塗装技能士1級など)いる業者であるか確認
・実績があるか確認
・口コミをみる など
3-3.外壁の定期的な掃除と点検
外壁の汚れは耐用年数を短くする原因となります。塗り替え時期を延ばすために、定期的に外壁を掃除するようにしましょう。汚れは防カビ性や防水性などの性能を低下させてしまうのです。定期的に掃除してあげることで、汚れのこびりつきの防止にもなります。また素人では気づかない外壁の汚れもあるものです。自分で掃除するほか、定期的にプロに依頼することで外壁の塗り替えを延ばせます。同時に補修すべき箇所の早期発見にも効果的です。
4.まとめ
外壁塗装は建物の美観を取り戻すことはもちろん、安全性や耐久性をよみがえらせ、建物の価値を高めてくれます。10~20年という耐用年数はあくまでも目安です。しかし一つの指標にもなります。外壁に目に見える劣化が現れていなくても、素人にはわからないこともあるので、時期が来たら塗装業者に点検を依頼してみることもおすすめです。
神奈川県藤沢市の「株式会社しろくま」は、外壁塗装工事をはじめ屋根塗装や建築増改築、各種リフォームを承っています。豊富な経験を基に、熟練の確かな技術を活かして、状態に応じた最適な工法・資材を選び出し、細かい部分まで丁寧に一切妥協することのない施工に徹底しています。工事のご依頼、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。